部屋に戻りケータイでマユからの不在着信に気付くとすぐに折り返した。



「ごめん…」



マユは暗い声で言った。



「マユ…?」



「ごめん…!見つかんなかった…。」



マユはそう言って黙りこくってしまった。


そして沈黙の後、時間をかけて話を聞くと…。


マユは…

私の家を飛び出した後…

私とハルトが行ったホテルの辺りをウロウロしていたらしい…。


“ヨースケ”を探すために…。

“ヨースケという名前”

“ギャル男”

そして、

“車種”

それしか頼りがないのに…。

顔も知らないのに…。




「マユ…ごめんね…ありがとう…!」



マユだって、怖かったに違いないのに…。

危ない男だっていっぱいいるだろうに…。



「もう20人くらいナンパしてきたよ〜!私もまだまだイケるねぇ〜っ!」



そんな風に冗談めかして笑うマユに心底感謝した。