診察室に入ると白髪の優しそうな先生がカルテに目を落としていた。
おずおずと進むと先生はカルテから目をあげ、私に向ける。
「矢野奈々さん?」
「…はい。」
先生は再びカルテに目を移し言った。
「尿検査の結果を見ると妊娠してるね。」
「……はい……」
先生は「…高校生。」と呟くと続けた。
「どうするのかな?話合ってきたのかい?」
………。
周りの音が消えてなくなったような気がした。
「…ハイ……」
言葉がつまった。
「…手術…してください…」
小さな声でやっとの思いで言った。
涙をこらえるので精一杯だった。
怖くて先生の顔が見れなかった。
だって…
私は
本来新しい命を産み落とす場所に…
宿った小さな命を葬り去りに来たのだから…。
私の中は罪悪感と恐怖でいっぱいだった…。
おずおずと進むと先生はカルテから目をあげ、私に向ける。
「矢野奈々さん?」
「…はい。」
先生は再びカルテに目を移し言った。
「尿検査の結果を見ると妊娠してるね。」
「……はい……」
先生は「…高校生。」と呟くと続けた。
「どうするのかな?話合ってきたのかい?」
………。
周りの音が消えてなくなったような気がした。
「…ハイ……」
言葉がつまった。
「…手術…してください…」
小さな声でやっとの思いで言った。
涙をこらえるので精一杯だった。
怖くて先生の顔が見れなかった。
だって…
私は
本来新しい命を産み落とす場所に…
宿った小さな命を葬り去りに来たのだから…。
私の中は罪悪感と恐怖でいっぱいだった…。

