小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

でもね、私…ハルトの赤ちゃんだって信じたいの。


もしも違っても、ハルトの赤ちゃんだって、そう信じて生きていきたい。


相手が誰でも私の赤ちゃん。


愛して愛して育てたいの。


でも、そんなことお母さんに言うわけにはいかないよ…。



「言えない……。」


私は必死にお母さんの目を見つめた。


「…言えないって…そんなこと、許されないわ。そんないい加減なこと、許せると思う?」


お母さんはエプロンで手を拭きながら私の目の前まで来る。


「…無理よ…。母親になる、親になる、ってことをナナはまだわかってないわ。」


そっと手を取ると優しく握ってくれた。


「まだ…早すぎるのよ…」


辛そうにそう言ったお母さんに私はすがりつく。


「早くないよ!私、頑張るからっ!!」


「…ナナ…」


でもお母さんは切なそうに首を振ると話を続けた。