小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

私が涙ながらにそう言うと、お母さんは表情を少し和らげた。


そして、ハッキリと言った。


「もちろんよ!あなたは私が産んだ大切な娘。正真正銘、私の子だもの!」


……私の…子…。


「…相手が…誰でも…?」


潤んだ目で見つめるとお母さんは大きくうなずいた。


「“私の子”にかわりはないわ。」


「お母さん…」


私はその言葉を聞くと、

スー…っと何かが消えていくような感覚になった。

誰の子…?

そう…

間違いなく、私の…赤ちゃん…。




…私は、この子を産む…。




私の心は重荷がひとつおりたように少しだけ軽くなり、ひとつの答えを導きだす。


決まった…心。



「お母さん…ビックリしないでね…?」



私はお母さんの目を真っ直ぐに見つめた。


もう反らさない。

現実から目を、反らさないよ…。