「ダメだ。ホントにさ、死んだらダメだ。」


ハルトが絞りだすように言った。


「はい‥‥。」


いつしか瞳から涙がこぼれてた。


生きたくても生きられなかったシュンさんのことを考えたら自分がとても愚かに思えた。



愚かだと思った。



「つらいこと、あるんだな。」


「‥‥ぅ‥‥」


返事したくても涙があふれて声にならなくてこくりとうなずく。



するとハルトはまた頭を“よしよし”って撫でて、


「何があったかいつか話したくなったら聞かせて。な？」


って言った。



温かかった。



心に拠り所を作れた気がした。