私のお母さんは、私が3つの時に離婚した。


原因は…お父さんの、浮気。

よそで子供を作ったみたい。


そして、

私は親権を争われることもなく、アッサリお母さんに引き取られた。

実の父は私のことを「いらない」と言ったらしい。

新しい家庭の邪魔になるから、と…。


このことを母から聞かされたのはもっと先の話。

小さい頃は「ママがどうしてもナナといたいから、パパにお願いしたのよ。パパもナナといたかったのに、我慢してくれたのよ。」

…そう言ってくれたお母さんの優しい嘘を疑うことなく心から信じていた。


愛されていたのだと疑うことなく信じていた。


…まったく…逆、だったのに…。




保育園の頃、お友達によく聞かれた。

「どうしてナナちゃんのおうちにはパパがいないの?」

そんなこと聞かれてもわかんなかった。

そのことは私にとってもうすでに自然なことだった。

だからパパがいないことにすら疑問を感じることはあまりなかった。


だって、私には父の記憶なんてほとんどないから。