「でもさっ、俺のドジもたまには役立つんだよ?」


「役立つ‥‥?」


私は聞き返した。


「うん!役立つ!だってお陰でこうしてナナと出会えたわけだし?」


そう言ってハルトは笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


すごくドキドキしてペースが崩れていく。


私ってこんなに女の子だったっけ?


いつも適当にあしらって、
男なんて適当でいいと思ってたのに。



ううん。



“思おうとしていた”んだ。



自分を守るために、
自分が傷つかないように、
ホントは怖いから。


人とキョリをおいてバリアを張ってたんだ。


でもそのバリアが今日はまったく作動しない。


役立たない!



私、今、素直にテレてる。



「だけど突然“死んだらダメだよ”とかメールきてビックリしただろ?」


ハルトの声で我にかえった。