ハルトと別れた上に負ってしまった心の傷。


―――言えるはずもなくて…。





「…行こうかな!」



私はポツンと言った。



「えっ!まじで!?わ〜いっ!」


マユは嬉しそうにケータイを開く。


「あっ!タケシ〜?…ウン!オッケー!来るって!……」


タケシと話しながら私に向かってピースサインをした。





放課後。


私はマユに連れられてカラオケに向かっていた。


「タケシのクラスの人で〜“ユウくん”って言うんだって〜!」


マユはいろんな情報を私に植え付ける。


「かっこい〜らし〜よ〜!」


「へぇ〜…そうなんだ?楽しみぃ…」


心のどこかがキシキシと傷んだ。