4月。


私は高校2年生になった。

2年のクラス替え。
マユとはいっしょのクラスになれたけど、ヤヨとサトルとは別れてしまった。


新しいクラスにも少しずつなれた4月の半ば。


「ナナぁ〜!今日、カラオケぇ〜!」


マユが甘えた声で私にせがむ。


「ん〜…マジで行くの〜?」


私は長い返事をする。


「行くよ〜!お願いだよ〜!タケシにたのまれてるんだよ〜。ねっ?」


相変わらずタケシとラブラブなマユ。

何をそんなにカラオケに誘っているのかと言うと…。

タケシの友達に合コンを頼まれてる、らしい。

しかも、とりあえず2ー2って…。
それじゃあ“合コン”じゃなくて“紹介”じゃん…。

でも…。


「ナナ、終わった恋を忘れるには新しい恋、だよ?」


マユは急に真顔になるとそう言った。


…ほんとはわかってた。


ハルトと別れたことを報告したときから、いつもマユが心配してくれてたこと。


今回の“紹介”だって、もしかしたらタケシに頼まれたなんて嘘で、マユが頼んだのかもしれない。