「………」


ヤヨの言う通りだよ。

でもね、違うんだよ…。
口ではそう言っても、割りきれないんだよ…?



「ヤヨにはわかんないよっ!」



つい、言ってしまった。
八つ当たり。


マユは私たちをハラハラしながら見守っている。


「わかるわよ!わかるよ!」

ヤヨがすぐに反論する。


「私…ずっとサトルが好きだった!ずっと。入学してからずっと、好きだった…!!」


「……え……?」

「ヤヨ…今の……」


私もマユも言葉を失う。
思っても見なかったヤヨのほんとの気持ち。



いつも私とサトルのこと、応援してくれてたヤヨ。
…今までどんな気持ちでいたの…!?



「ゴメン。忘れて。」



ヤヨは我にかえったようにつぶやく。


「…忘れられるわけ、ないじゃん…ねぇ…ナナ。」

マユはそう言い私に視線を移す。

「ホント…なんだよ…ね…?」


真っ白な頭の中で、私はいろんなことを思い出していた。