…♪♪♪〜♪♪〜…



かすかなケータイの着信音が聞こえた。

電話だ…。

私はポケットからケータイを取り出すと通話ボタンを押した。


「…もしも…し…?」


隠すつもりがしっかりと涙声になってしまった。


「ナナっ?どした?泣いてるの?大丈夫?」


相手はマユ。


「…大丈夫…じゃ…ないかもぉ…」


私は素直にそう言った。


「とにかく家においで?ヤヨもいるから!」


…ヤヨ?
珍しい。

“女だけでもクリスマスパーティーしようよ!”
マユがそう言って張り切っていたのを思い出した。

…それかな?

とにかく私は「わかった」と伝えると足早にマユの家への慣れた道を歩き出した。