何を泣いているんだろう…。

何を揺れているんだろう…。

私の心は今になって…
どうしてこんなにも揺さぶられているんだろう…。




―――ふわっ…




あったかい…。

ハルトが私を抱き締めていた。
私は突然のことに驚いて動くことも出来ない。


―――ハルトのにおいがした…。
もう2度と感じることはないだろうと思っていた…ハルトのぬくもり。



「ナナ…ごめんな…ホントに…ごめんな…」



ハルトがそう繰り返す。



そして―――。



「ナナ……好きだ。」



「…えっ…!?」



何?
何を言っているの…?

わからないよ…。
全然わからないよ…?

結婚するんだよね?

違うの…?



「…意味わかんない…っ…」


結婚するのに何言ってるの…!?


「全然意味わかんないよっ!」


「ゴメン…でもホントに…ホントにナナが好きだ…!」


「……遅いよ…。もう、遅いよ…。」