私はマユからもらった“アリバイ用のディズニーランドのおみやげ”を手に12月の寒い街中を家へと急ぐ。

今年ももうすぐ終わりかぁ…。

この1年、いろんなことがあったなぁ…。

まず、高校に合格して、入学して。
ヤヨやサトルと出会って。
そして―――ハルトを好きになった…。
ハルトとは悲しい別れになってしまったけど、そのお陰でサトルと真っ直ぐ向き合えた。
そして、家族とも少しずつ歩み寄った。

…激動の1年だったなぁ…。

そして昨日、サトルと一夜を過ごした…。



―――私の心にうずまく迷い…。

…迷い?

もう、終わってしまったのに。

私はサトルと泊まったことを後悔しているのだろうか…?

なんで?

好きなのに。

好きだ、って思ったのに…。

どうしてこんなに心がざわざわするんだろう…?

どうして…?



…♪♪♪〜♪♪〜…


かすかに聞こえたメロディ。
…ん?
私のケータイかな?

真っ白なコートのポケットに手をつっこむ。

取り出した私のピンクのケータイはメールを来たことを示すランプがチカチカと光っていた。