カラン―――…



かわいた音と共にドアが開く。

翌朝―――クリスマス当日、私はサトルと別れ、マユとの待ち合わせの喫茶店にいた。
たった今ドアを開けて入ってきたのはマユ。


「むふふふふ〜!」

窓際に座る私を見つけると、マユは予想通りのニヤニヤ笑いでやってくる。


「ナナ〜ッ!オトナの仲間入りだねぇ〜ッ!」

やっぱりこの話題か…。
ていうか…


「声がデカイよぉ〜ッ!」

周囲を気にして口をとがらす私にマユは辺りを見回し、「ふふっ!」と笑う。
反省の色、ナシ。


「どぉだったぁ?どぉだったぁ〜ッ!?」


明らかにワクワクしているマユ。
どぅだった?って聞かれても…。

答えに困って話をすり替えた。


「そういうマユこそぉ〜!どうだったの?ディズニーランド!」


マユはにっこりと笑う。


「ふふふふふー!サイコーだったよッ!」


「そっかぁ!よかったね〜!パレードは見たぁ?」

「もちろんだよぉ〜ッ!キラキラしてて夢みたいだった〜!それでタケシがね……」


止まらないマユのクリスマス話はしばらく続く…。