ハルトと会えることになってとっても嬉しかった。


ハルトの家は偶然にも同じ市だった。


翌日ハルトと市内でいちばん大きい公園で待ち合わせをした。



とっても緊張したけどとっても楽しみでいつもより念入りにお化粧をした。

一番気に入っている花柄のチュニックにデニムを合わせた。


約束の時間は7時。
期待と不安で落ち着かなかった。

ホントに来てくれるよね‥‥?           


どんな人なんだろう‥‥?
来たのが私でガッカリしないかな?


公園のベンチに座る。

───時刻は7時。


公園の門のほうを眺めてみる。


8月の夜はまだ暑い。
昼間のあの焼かれるような日差しはないけれど熱した空気はあちこちにただよっている。



私の心みたいに───。



ハルト───。


あの夕暮れに出会ったときのこと、覚えてるよね?

忘れちゃったりしてないよね?


私は、今でもはっきりと思い出せるよ。

あの薄いオレンジ色も。

ハルトの長い影も。

あの時の壊れそうなほどドキドキしてる私の胸の鼓動も‥‥。