ついにやってきたクリスマスイブ。

本当に寒くなって私服の時はコートなしではいられない。
マユの小悪魔計画に乗っかるカタチの私たちのクリスマス。
ふたりきりで過ごす初めての夜…。

罪悪感からなんとなく真っ白のコートを選んだ。





「お母さん…?」

私は先週の夜のこと、なるべくさりげなくお母さんに切り出した。

「クリスマスイブなんだけど、マユとディズニーランド行って泊まってくるね!」

「ええっ!?」

案の定お母さんは目を丸くした。

「泊まる…って…どこに!?」

…そりゃ不思議がるよね。

「なんかーマユが福引きで宿泊券当たってー。それで行くの〜!」

私はマユとふたりで用意した“いいわけ”を披露する。

「………」

…やっぱ苦しいカナ…?



「ふぅ〜ん…まぁ、いいでしょ!楽しんでらっしゃい。」

…やった!

「でも、本当にマユちゃんとふたりなの?」

「えっ!?」

「彼氏、サトルくんも行くんじゃないの?」

……ス…スルドイ…

というか正に“サトルとふたりで”過ごすんだけど…。