「あはははは!」
「ハハハ!」

私たち2人が笑い転げているとお母さんとチカが何事かと洗面所にやってきた。


「なに笑ってんのぉ〜!?チカにもおしえてよぅ〜!」

幼いながら私とオトウサンの間を不安に思っていたのだろう。
チカは私たちの顔を交互に見ながら嬉しそうに跳び跳ねた。


お母さんは私たちの手を交互に見ると、

「まあっ…!」

と一言言ってくすくすと笑った。



私の右手には歯ブラシ、
左手にはイソフラボンの洗顔料。

オトウサンの右手には歯ブラシ、
左手には整髪用のワックス。



「ふたりとも、ドジなんだから…」



言葉の最後のところでお母さんの声が少しだけ揺れた。
目が少しウルウルしてた。


ずっと同じ家に住んでいたのに、こうして4人でいるのは何年ぶりなんだろう。



オトウサンが私に笑ってくれた。
オトウサンが私に彼氏がいるのを気にしてくれた。


オトウサンが私をお父さんに似てる、って言ってくれた…。



……嬉しかった。