「親に嘘つく…ってのはどぉなんだろーとは思う…。」

うん…。
私もいろんなことがあって素直にサトルの言う通りだって思える。

私は心の中で返事した。



「だけどさ…泊まらないか…?」



うんうん、そうだね…

………?

………えっっ!!?

「えええっ!??」


私は驚いて心の中だけではなく声にまで出した。


そして思わずサトルの顔を見上げた。

サトルはただ前だけを見てた。
キレイな睫毛を少し伏せて。


「…ダメ…かな…?」

「………」

「…やっぱ…ダメだよなっ!…忘れ…」

「ダメじゃないッ!」

「ナナ…」

「いいよっ!そうしよう!」


私がそう返事をするとサトルはようやく私の方に向き直ると少し困ったように笑った。


「ごめんな?親と仲良くしろとか言いながら親に嘘つかせることになるな…。」

「サトル…」


「でも……」


でも…?


「でも、それでもナナといたい!だから嬉しいよ!」


サトルがくしゃっと笑いつられて私も笑った。