「マジでマジでマジで〜〜〜!!?」


マユのすっとんきょうな声に教室中のみんなが振り返った。

それに気付いたマユは「やばっ!」と肩をすくませると続けた。


「ずるい〜ずるいよ〜!乗り遅れた〜!くそぉ〜」


なんでマユがこんなにエキサイトしているかというと…。

それは学園祭でのリョウくんのヤヨへの告白。

恋愛話がなにより好きなマユは、その話題にいち早く乗れなかったことにスネているのだった。


「…あんたねぇ…そんなに騒ぐことでもないでしょ〜?」


ヤヨは呆れたようにサラリと言うと机の上の教科書をしまう。

―――でも。

学園祭が終われば、またフツーの学校生活。
授業でさえ嫌なのに更にテストまで…。
おんなじ繰り返し。

そりゃ恋の話でくらい盛り上がりたいっていうマユの気持ちもよ〜くわかる。


「でも…!ヨカッタよね!」


私は話を続けた。