なんて哀れなんだろう…。

嘘で繋ぎ止めてもいつか必ずバレるというのに…。


…でも、それでも俺を
そこまでしてでも繋ぎ止めたかっただなんて…。


シュンを失って心が凍り、働かなくなったというのか?

かと言ってナナコのしたことは許せるか…?



俺は……。



もうナナコと結婚する理由なんて全くないんだ!

今すぐナナのところに飛んでいって思いを伝えたい…!



―――でも…

ここで泣き崩れるナナコを突き放すことが出来るか?

昨日ナナのことを思いながら抱いたナナコ…。
少なからず救われたのも事実ではないのか…?


ナナコにはもう俺しかいないのに…?
こんなに俺を必要とし、あんな嘘までついて、それがバレて泣く哀れなナナコを突き放して…?


―――ナナには新しい彼氏がいた。

…あの男、優しそうだった。

ナナは幸せそうに笑ってた…。



俺は……