「はっ?お前が!?まじでヤってねぇの?」


へえぇ〜…といつもは冷静沈着なタクトが感心したようにうなずいた。

高校時代の俺を知る人は俺が好きな女としてませんって言ったらこう答えるのがトーゼンかも知れない。

酒を飲み、酔いの回った俺はすっかり口もなめらかになり、ナナのことを話していた。

どんなに好きか…
そしてどんなに想っているか…


そんなことを突然に。
なんの前触れもなく話し出した俺。
それでもタクトはさらりと聞き、そして俺がナナとのプラトニックな関係を話すとあの大袈裟な声をあげたのだった。


「だって…付き合ってなかったし〜!」

言い訳のように言ってみる。

「お前バカ?今まで何百人の付き合ってない女の子とヤってきたの?」

…イタタタタ。
ですよね…。
でも何百人は言い過ぎだろ…

俺は返す言葉に困り話をすり替えた。


「でも…まぁ終わったことだし!」


「は?」


さっきまであんなにナナへの想いを語っていた俺だけにタクトは話についてこれない。