俺は飲みたくもない石を次々と飲み込み、喉は焼かれるような痛みを伴い悲鳴をあげようとする。
でも石でいっぱいの口から声など出ないのだ。


叫ぶことも出来ない。


どれくらい石を飲んだだろう。
俺の体はどんどん重くなる。

胃も重くギリギリと痛む。
胃がちぎれそうだ…!

もう…ヤメテくれ―――!!

そう思った瞬間、重くなった俺を支えられなくなった床は音を立て崩れ始める。
俺は床を突き抜け奈落の底へと落ちていくのだ…。



そこで目が覚めた。

――――はぁ…。

息をつく。
ヤベぇな、俺。
病んでる…。



その日のことだ。
タクトから電話が来たのは。



「よぉ!最近どぉよ?」

相変わらずの声にホッとする。

「あ〜相変わらずッス!センパイ!!」

「バ〜カ!」

「ははっ!まじボチボチ。お前は?」

ふざけてみたりして強がって答えたがタクトは俺の問いに答えることなく言った。

「今日飲みに行こうぜ!」

相変わらずだ。

タクトは「これからこっち出るからよ!」と言うと電話を切る。
あいつどこに泊まる気なんだ…?
そんなことを思いつつ俺はタクトの電話に少し元気を取り戻し窓を開けた。