小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

まだほんのガキだったんだ…。


命、ということ。

新しい命をこの世に産み落とすということ。

それは夫婦ふたりでこなすのも大変な大仕事だということ。


家族ということ。
生きるということ。



…すべてに対して…

俺は甘かったんだ…。


甘い考えを軽々しく披露し、その言葉がこの先どんな波紋をよぶのかなど到底知る由もなく…。







8月も残すところあと2日。

あさってからは9月だ。

ナナの学校も始まる。
ちょうど区切りの時期。


俺は今日ナナに気持ちを伝えるつもりだった。


仕事から帰った俺は落ち着かずソワソワし、部屋をウロウロと徘徊し、ケータイを手にとっては置き、置いては持ち、を繰り返していた。


まず、何て言う?


自分自身初めて出会うこんな俺。


恋すると心臓ってこんなにドキドキするんだな…。
俺が今までしてきた“恋愛”ってなんだったんだ…?
そうか…。
俺がしてきたのは…そう“恋愛ゲーム”だったんだ…。



よしっ!

俺も男だ!!

今から電話をかけるぞ!!


トゥルルルル―――…



「わあっ!!」