それが何なのかはまだわからなくて。

でもその小さなものに俺は出会うことになる。



それがナナ。

…お前だよ。





約束の場所に行くとちょこんとベンチに座る女の子がいた。
小さくて
落ち着かない様子でしきりにケータイを気にしている。

あれが“ナナ”…?


(若ッ!!)


それが俺の第一印象。

さすがの俺も2コ下くらいまでしか付き合って(遊んで)きていない。

犯罪じゃ…ねぇよな…?



俺の一人での葛藤をよそに“ナナ”は俺に気付いたようだ。


夕日がキレイだった。


挨拶して握手した“ナナ”の手はすごく小っさかった。

俺はてっきり“ナナ”は偽名かと思っていた。
初めに俺が“ナナ”って言ったからナナなのかと…。

でも偶然にも“ナナコ”に宛てたメールを受け取ったのは“ナナ”だった。


ナナはどこか淋しそうな印象があった。

暗いとかでは決してなくて…なんだか憂いを感じる瞳。

大きな目を伏し目がちにしている姿は大人びて見えるのに、質問に答える声やしゃべり方がやっぱり幼い。
あどけない目…口…。


なんだろ?コレ…この感覚…


彼女?

妹…?


―――――!!