女の絶叫が耳をつんざく。


伏せた目をあげるとそこにはこの前帰省したときに紹介されたシュンの彼女、ナナコがいた。


真っ赤になった目は腫れ、涙でぐしゃぐしゃの顔。


「シュン…シュン!ねぇ起きてよっ!ねぇ!」


ナナコはシュンの亡骸にすがる。

他の参列者もいたたまれないように見てみぬふりをする。


いつの間にか俺はナナコの手を取っていた。




ナナコは今にも死んでしまうんじゃないかというくらい脱け殻だった。



シュン…俺はお前の彼女に何をしてやればいい?



お前がいなくなった穴はとてつもなくデケェぞ…?



俺は今にも自殺しそうなナナコをほっておくことは出来なかった。


アドレスを聞くと小まめに連絡を取ることを決めた。

とにかくナナコが立ち直る目処が立つまでは…
せめて、それまでは…と。


しかしそれからの俺はナナコを気遣うなんてことも出来ないほど落ち込んでしまった。



ナナコにメールを送ろうと思うまで1ケ月ほどかかってしまった。