「ハルトくんがいないと…もう私…無理なの…お願い…」


目の前で女が泣いている。


なんで俺の前で泣くんだ…。



俺は少しだけウンザリした気分で女を見守る。



いつもなら口のうまさで切り抜ける。

どうでもいい女なら簡単に捨ててきた。

最悪な男、片岡温人。
高校の時は処女を失った女の相手は全部俺だという特に嬉しくない噂まで立つ始末だった。

今はある意味伝説か…?


一応言っておくが事実ではない。
さすがに全員というのには無理がある。



そんな俺だけど、今困っている。



それはすべて目の前にいるこのひとりの女の子のおかげ…というより、いろんなことが偶然に重なりすぎた結果とでも言っておこうか。


何度も言うが俺は女グセが悪いほうであることは間違いない。



だけど、
それが変わり始めた…。



1つの出会いによって…。