小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

「…そう。でも夏休みは別れてたからいんだよ！」


「でも…」


「ゴメン！ほんと、ゴメン。ありがとな！」


「あっ…サトルくん！待っ…」


そこでサトルが階段を降りてきた。


そしてタイミングの悪いことに…


「ナナ…！」


バッチリ鉢合わせしてしまった私。


「…！ナナちゃん…！」


後ろから追いかけてきた女の子にも見つかる始末。


「お前どーしてこんなとこにいんだ？？」


サトルが驚いて聞いた。


「あ…いやぁ…ヤヨがリョウくんに私が…たこ焼き探してて私が呼んでたから…サトル？？あれ？」

自分で言ってて何がなんだかわからなくなっきてた。

「お前何言ってんの？」


サトルは若干笑いながらも女の子のことを気にして爆笑出来ずにこらえているっぽい。

女の子は複雑な顔で目を反らしていた。

その女の子とは…

同じクラスのキミヨちゃんだった。

おとなしい感じのコであまり話したことはないけれどいいこだって思う。


「ごめんなさいっ！」


キミヨちゃんは場の空気に耐えられなくなったようにその場から走り去ってしまった。