小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

私はその場から動くことが出来ない。


まさか…


サトルへの告白シーンに遭遇するとは夢にも思ってなかった。

でもこうして目の前にそのシーンがあればうなずける。

確かにサトルは外見もかっこいい(かわいい?)し
性格も優しい。

モテて当たり前と言えば当たり前だけど…。


だけど…


まさか…だよ。


「ゴメン…俺、好きなやついるし…ほんとゴメン。」


サトルの声がまた聞こえた。

申し訳なさそうな声…。


「それってナナちゃん?別れたとかより戻ったとか噂あるけど…」


「あ〜まぁ…俺の中ではずっと好きだしかわんねぇから!別れたとか俺のせいだし!」


……


サトルのせいじゃないのに…。
子供な私のせいだよ…。


サトルの言葉に涙が出そうになった。



「…でも…私、夏休みにナナちゃんが別の男の人といるのみたよ!」


…?


女の子は必死に食い下がるように言った。


私のことを…見た…?


男の人と一緒に…?


それって…ハルトのことだよね…?