「あっ…ハイ。」


内心『リョウくんの告白はどうなったんだろ?』なんて思いつつ…。


「あれ?あれ?」


リョウくんはひとりで軽くテンパりながら繰り返す。


「サトル、知りません?」


「あ〜…あれ?会ってない?おかしいな。」


「えっ?どーいうことですか??」

リョウくんの態度に疑問を感じて聞いてみる。


「いや…さっき1ー6の女が来て『彼女が呼んでる』って連れていったよ?会ってない?」


…ん?


ていうか私、サトルのこと呼んだっけ?

朝から実行委員のヤヨのしたで働き続けてた私は学園祭が始まってから今まで、教室から出てもいなかった。

「私呼んでないよ〜?サトルどこいったんだろ?」


「さぁ…教室は?」


「いなかった…と思う!」

「んー?どこ行ったんだアイツ!とりあえず教室戻ってみたら?」


リョウくんのアドバイスに従おう。


「そだね!リョウくんも頑張って♪」


「…!何で知ってん!?」

私は、赤い顔のリョウくんを残して教室へと引き返した。