それから私たちは視聴覚室の中で過ごした。


たくさんの言葉はなかったけど、ただ手をつないで床に座って‥。


「ナナ、そろそろ行こっか?」

サトルがつないだままの手を引く。


「うん!」


私は返事をすると立ち上がる。


ガラリとドアを開けると‥



「───ええっ!!?」



ふたりは絶句した。



真っ暗。


非常口の明かりだけがボォッと浮かび上がる。


「‥まじで‥?」


視聴覚室は暗幕がしてあって真っ暗だったから時間の感覚がなかった。


「今‥何時?ケータイ持ってる?」


サトルが聞く。


「ない…かばんの中だ〜!サトルは?」


「俺も!とにかく教室戻ろうぜ!」


「うん!」


私たちは恐る恐る階段を上がり1年6組の教室にたどりついた。


真っ暗‥電気点けたいけど‥どこ‥?


その時、


ガターン!!


「‥キャッ!」
「わぁっ!」


何かに引っ掛かってバランスを崩した私は机にぶつかってそのまま転んでしまった‥
───サトルを巻き込んで。