この時はまだわからなかったの‥。


人は‥


本当にショックなことがあると、


逆に冷静になるってこと‥。



私は



私に騙され‥



日常を送っているということに、



気付かずにいたんだ‥。





「いやぁ〜もうすぐ学園祭だねっ!」


マユが嬉しそうにはしゃぐ。

学園祭にタケを呼ぶことがとても楽しみなんだって。

久しぶりに同じ校舎の中で一緒に過ごすこと‥それがすごく楽しみって笑うマユはとっても可愛かった。


ヤヨは少し冷めた目で天井に目をやって、

「そんなもんかね〜?」

なんて呟いてる。

ヤヨはとても美人なのに恋のうわさもない。

事実、ヤヨに恋愛のことを打ち明けられたことも‥ない。

ヤヨは家がわりと厳しいしお嬢様だからそのへんのことは私たちと違うのかもしれない‥。


こんな公立の高校に来てるのは不思議だけど‥。

両親の方針らしい。

マユもそうだしヤヨもそう、
ふたりとも昨日のハルトのことには触れない。

忘れてる、なんてこと有り得ないから‥ふたりとも私のこと想ってくれてるんだと思う。


だからこそ‥


私の口から言わなきゃ‥!!