ズボラ女が恋する瞬間

全てを見透かしたような三浦の言葉に、須賀は何も言い返せないでいた。


「今、ここに警察でも呼ぼうか?」

「そ、それは・・・」

「呼ばれたくなかったら、今すぐ消えろ」


三浦の言葉に、尻尾を巻くように須賀は部屋を出て行く。

須賀が消え、緊張の糸が切れたようにその場に座り込む。

涙が溢れ、頬を濡す。

そんなあたしに目線を合わせるように、三浦もその場にしゃがみ込む。

そして優しく、頬を濡らす涙を拭う。


「大丈夫か?」

「大丈夫なわけ、ないじゃないですか」


礼を言わなきゃいけないのに、いつもの癖で反抗的な態度を取ってしまう。

それなのに、三浦は何も言わずに傍に居てくれた。