ズボラ女が恋する瞬間

逃げようと走り出そうとした時、瞬時に腕を掴まれる。

恐怖から、イヤッと声が漏れる。

相手は拒絶されたことに、苛立ちを膨らませる。


「助け・・・」


叫ぼうとした瞬間、口を塞がれる。


「なんで逃げるの?」


なんでって、むしろこっちが聞きたい。

恐怖心が大きくなり、瞳に涙が滲む。

誰か、助けて・・・


__ガチャッ__


ドアが開く音がし、視線を向ける。


「何やってんの」


三浦の登場に、須賀は都合が悪そうな顔をする。

三浦は盛大なため息を零し、あたしのことを引き寄せる。


「お前がやってること、犯罪だけど」

「ぼ、僕は何も・・・」

「人の家に何通も手紙送るのも、隠し撮りも、どれも犯罪行為だけど」