ズボラ女が恋する瞬間

三浦は煙草をもみ消すと、こちらへとやって来る。


「決めた」

「何ですか?」


あたしよりも15センチ以上背が高い三浦が、目の前に立ちはだかる。


「惚れさせる」

「・・・は?」

「帰るなら、付き合え」


そう言い、三浦はあたしの腕を掴むと歩き出す。


「ちょ、ちょっと!」


半ば引きずられるような形で、三浦と夜の街を歩く。


「何処に向かってるんですか?」

「さぁ」


さぁって、何考えてるわけ?

三浦の意図が、全然理解できない。

理解なんて、したくもないけど・・・