ズボラ女が恋する瞬間

そしてあたしは、田村さんと尚人と一緒に懇親会へと向かった。

入社してから、強制参加の為、一応毎年懇親会には参加している。

高そうなホテルなだけあって、料理はもちろんおいしい。

だけど毎年来ているせいか、年々感動が薄れつつある。


「来ないかと思った」


あたしを見つけた美緒が、あたしの元へとやって来る。


「早く帰りたいわよ」

「ここまで来て、まだ言うか」


そう言われても、帰りたいものは帰りたい。


「次の恋に向けて、頑張りなさいよ」

「次も何も、今も一応恋はしてるわよ」


一応、彼氏だっているし。

彼氏って、呼んでいいかもわからないような人だけど・・・