「彼氏の許可も出たし、一緒に行こうね」

「だから、何処に?」

「県外組の同窓会みたいなの」


県外組の同窓会と聞き、何となく想像は付いた。

高校の県外組で、年に2、3回集まっていたことは知っていた。

でも仕事に追われて、あたしは一度も参加したことはなかった。


「郁子(いくこ)が主催だから、懐かしいメンツにも会えるよ」


懐かしいクラスメイトの名に、高校生時代を思い出す。

みんな、元気かなぁ?


「同窓会だから、男も居るぞ?良いのかよ」


新井の言葉に、大翔はチッと舌打ちを零す。


「本人が行きたそうにしてるのに、止められるかよ。美緒も、余計なことを」


あたしが思い出に浸っている中、2人がそんな話をしていたなんて、あたしは知りもしなかった。