ズボラ女が恋する瞬間

食器を片付け、三浦の元へと戻る。

今まで、どんな人と付き合って来たの?

気になるが、聞きたくない。

過去なんて、どうしようもないのに・・・

そんなことを考えていると、グイッと大翔に引き寄せられる。


「どうした?」

「え?」

「難しい顔して」


あたしは、小さく首を横に振る。


「ふ~ん。てか、お前電話なってねぇ?」


そう言われれば・・・

鞄から携帯を取り出し、外面には美緒の名が表示されていた。


「すいません」


一言断りを入れて、電話に出る。


「もしもし」

『あかり、今日休み?』

「うん」

『呑み行こうよ』

「あ~」


いつもなら頷くところなのだが、大翔の顔を見て返事に困る。