ズボラ女が恋する瞬間

チンッと、電子レンジ特有の合図が鳴る。

電子レンジから皿を取り出し、テーブルへと並べる。

・・・美味しそう。


「食えば」


小さな葛藤があったが、食に負けた。


「・・・いただきます」


見た目通り、大翔が作ってくれた料理は美味しかった。

あっという間にペロッと完食し、皿を持ってキッチンへと向かう。

それ相応に揃えられたキッチンに、普段から大翔は料理をするのだろう。

現に、大翔の料理は美味しかった。

今までも、他の女の子に手料理を作ってあげたりしたのだろうか?

そう思うと、胸がモヤモヤする。

そして、気付くとため息が零れた。

数年ぶりの恋愛に、一喜一憂している自分がバカバカしくなる。