ズボラ女が恋する瞬間

「それに今、田村さんが営業部に乗り込んでいったところです」

「乗り込むって、なんでまた」

「今のうちは部長と田村さんとあたしの3人しかいなくて、みんなオーバーワークで殺されかけてます」


は?っと、眉を細め、立ち止まる。


「今のって、いつから」

「5日くらい前からです。みんな怒って仕事に来ないから、部長と田村さんとフォローしてきました。でも仕事は次々回って来るし、我慢して頑張ったけど、もうキツイんです」


そんなことを三浦に愚痴ったところで仕方ないのに、不満ばかりが溢れてくる。


「ロクに寝ないで仕事して、家に帰れるのは1、2時間。心だけじゃなく、体力も限界なんです」


純粋に、仕事は好きだった。

けど、追い詰められて、手を抜きたくなる。