ズボラ女が恋する瞬間

今だけじゃなく、あたし達はどれだけの残業をして来たのだろう。

評価も貰えず、ただただデザインをし続けてきた日々。

膨らむ不満たちから目を逸らし、我慢ばかりして来た。

社会人として、それは仕方のない事なのかもしれない。

だけど変えなければ、変えようとしなければ・・・

いつまで経っても、ずっと変わらない。

そしてあたしも自分の仕事を片付けるや否や、2人の後を追い、営業部へと向かった。


「随分疲れた顔してるじゃん」


営業部へと向かう途中で、偶然三浦と出くわす。


「そちらの部長のせいで、こちらは大変なことになってるもので」

「何か、揉めたらしいな」

「揉めたどころの話じゃないですけどね」


もう少しで、仕事に殺されるところだ。