ズボラ女が恋する瞬間

それでも、1人じゃないから頑張れる。

今も、昔も、うちの部署は支え合ってきた。


「部長、大丈夫かな?」


自分の仕事をこなし、出て行った部下たちの説得に行った部長。

何の連絡もないが、田村さんの言うように大丈夫だろうか?

仮に今が何とかなったとしても、みんながそのまま辞めたりなんかしたら会社にとっては大きな損失だ。

デザインの仕事なんて、求人も少ない。

でも同様に、入って来る人間も少ない。

あたし達がオーバーワークしたところで、補えない。

それに、体だって持たない。

立ち回らなくなるのが、目に見えている。


「部長の心配しても仕方ない。今を乗り切って、ガツンッと営業に文句言ってやる」

「そうですね」


そして再び、あたし達は仕事に追われた。