ズボラ女が恋する瞬間

あ、ヤバッ。

窓から差し込む朝日の光を感じ、あたしは大き過ぎるベットに潜り込み軽く仮眠を取った。

そして煩いアラームによって、無理やり起こされ、急いで準備を始める。

あんなに文句を言っていたのに、またダサい女として会社へと向かった。

満員電車に揺られ、やっと駅を出た時。


「おはよ、あかり」

「朝から元気だね、美緒(みお)」


高校の同級生で、同じ会社の佐倉美緒に捕まった。


「相変わらず、ダサい格好してんね」


何朝っぱらから、人の悪口を本人に言ってんのよ。


「美緒こそ、朝から無駄な努力お疲れさま」

「無駄って何よ」


頬膨らませ、怒ってもないくせに怒ったふりをする。