ズボラ女が恋する瞬間

営業部の部長は、嫌みたっぷりに部署内入って来る。

営業部の部長の登場に、部署内は一気に静まり返る。

営業部の部長の後ろには、数人の営業部の方々もご一緒だし。

絶対、こちらの会話をお聞きになって居るだろう。

ムッとしているのが、傍から見てもわかる。


「わざわざ、すいませんね。お忙しいのに」


部長が穏便に済ませようと、優しい物腰で言う。

なのに、あちらは一切こちらと歩み寄る気はないようで・・・


「えぇ。うちの連中は毎日忙しく、自分の業務を果たしていますよ。そちらと違って」


まるで、こちらが仕事をしていないような言い方じゃないか。

ムッとしたが、口にすることはない。

普段なら、みんなあたしと同じようにやり過ごすのだけれども・・・