ズボラ女が恋する瞬間

「デートだから、今日は仕事寄越すな!って釘打ったのに、定時ギリギリに仕事押し付けて来たのよ!ホント信じられない!」


その理由はどうかと思うが、新井も三浦と変わらないのはよくわかった。


「基本営業さんは、あたし達のことバカにしてるからね」

「そうですよね〜」


そう言い、田村さんとの会話に尚人が入ってくる。


「手柄は自分のもので、悪いのこっちのせい。無茶難題押し付けて、こっちの都合はお構い無し。俺らの仕事って、何なんですかね」


以前までのあたしも、尚人と同じように思っていた。

営業部の大半がデザイン部のことをバカにしているのかもしれないが、みんなそうとは限らない。

少なくとも、三浦は違う。