ズボラ女が恋する瞬間

勝手に気持ちを押し付け、同じ温度でいてほしいと、欲が生まれる。

相手も、周りも見えなくなる恋なんてしたくない。

年を重ねるたびに、そう思う。

だけど、いつの間にか落ちた恋と言う渦はもがけばもがくほど息苦しい。

だからと言って何もしなければ、ただただどん底まで落ちていく。

恋とは、何て厄介なモノだろうか。

でも、どんなにセーブしようと気持ちは暴走する。

その時、その瞬間、人は皆、自分を見失う。

そして、思うのだ。

恋なんてしなければ良かった、と。

惚れ過ぎた者は傷つき、温度差が生まれた者は解放と言う虚しさだけが残る。


「でも今が良ければ、良い。人なんて、いつ死ぬかもわからないんだから」


そんな三浦の言葉に、余計なことを考えるのを止めた。