ズボラ女が恋する瞬間

自信があったわけでもなければ、この仕事についてから挫折しそうになったこともあった。

指示されたものを、無数の色たちで組み合わせ、1枚のデザインを仕上げる。

そこに、どれだけの時間と能力を費やしているかなんて・・・

きっと、この仕事に携わっている人間でなければわからない。

デザインしたものが売れようが、それは営業の力だと手柄を持ち逃げされる。

逆に売れなければ、人の目や心を惹かせられなかったデザインのせいだと罵倒される。

理不尽だと、始めの頃は思っていた。

でも頑張ってこれたのは、数人でも認めてくれる仲間が居たからだ。

そこに三浦も入っていると思っていたのに、あたしの勘違いだったのかな?

沈む気持ちから目を逸らすために、美緒に連絡を入れていた。