ズボラ女が恋する瞬間

そんな嫌味を言うために、わざわざ人のことを待ち伏せしてたの?

だとしたら、どんだけ暇なんだよ。


「お互いにわかり合えないのは、仕方ないことだと思います。結局、他人ですから。すべてを理解するのは無理な話です」

「そう、なのかもな」

「三浦さんも出張で疲れたでしょ?早く、休んだ方が良いですよ。お疲れ様でした」


そう言い、あたしは足早に自分の部屋へと向かった。

そんなあたしのことを、三浦は追いかけては来なかった。

理解するのは、無理か。

自分のセリフを思い出し、ため息が零れる。

仕事面で、三浦はあたしのことを認め、理解してくれているのだ思っていた。

ダメだと指摘されることはあっても、あたしのデザインを否定されたことはなかったから。