ズボラ女が恋する瞬間

「仕事してましたけど」

「仕事ねぇ。笠井と組んだ仕事を見たが、よくあれで出したな」


絶対、バカにしてる。

あたしもあれで良いのか、躊躇していた。

でも、所詮デザイン部。

三浦のいる営業部に、指示されたものを作るのがデザイン部の仕事だ。

こちらが出来高を決めるのではなく、営業部が出来高を決めるのだ。


「最後は、営業さんが決めたんです」


営業部でも、笠井の名でもなく、営業さんと敢えて言ったのは小さな嫌味だ。


「営業さんねぇ。こちらがどれだけ苦労して仕事を取って来てるか、デザインしかしてない人たちにはわからないんだろうな」


そっちはそっちで大変かもしれないが、こっちもこっちで色々と苦労はしてる。