遅咲きの恋

「あっ……稜也……」


片手で私を抱きしめながら。
反対の方の手で火を消す彼。

少しも離れたくない。
その想いが彼から伝わってきた。


「……」

「え!?」


彼は黙ったまま腰をかがめると。
私の膝裏に手を差し込み、そのまま抱き上げる。

“お姫様抱っこ”

それをされているんだ。

そう思うと顔が熱く染まっていく。


「ちょっと……降ろして!!」

「……」


彼の胸を軽く叩くけれど。
そんな私を無視しながらスタスタと歩いて行く。