遅咲きの恋

「ねえ、もう1度言ってよ」

「亜樹……?」

「……結婚するなって……。
……私を好きだって……。
それとも、酔った勢いだった?」


冗談交じりに笑えば貴方は眉間にシワを寄せるんだ。


「冗談な訳ないだろう……俺は……」


震えたその声が真っ直ぐに私に向いた。

何かを決意した瞳。

もう、迷いなんて彼にはなかった。


「俺はお前が好きだ。
だから、アイツと結婚するな」


真っ直ぐな言葉。

それを聞いた瞬間、頑張って作っていた笑顔は消えていく。

カチカチと歯がぶつかって。
震えていく私の体。

そんな私に貴方は1歩ずつ近付いて来るんだ。


「亜樹……」

「りょ……うや……」


ポタリと涙が溢れ出てくる。
それでも目を逸らさないのは私なりのケジメだ。